紀伊国の一乗山大伝法院根来寺(現在の和歌山県岩出市根来)において鎌倉期から室町時代まで数千にも上る僧たちが日常に使う什器を主として色々な漆物が作られていました。
その中でもほんの一握り、当時金と同格と言われた貴重な天然の辰砂を使った自然な刷毛目を残す鮮やかな朱色が特徴の根来寺一山の至高の漆物が作られていました。
無論、貴重な辰砂を使った塗り物は限られた一部の高僧が使っていたことは言うまでもありません。今の漆物では出来ない用に耐える漆物は角が欠けにくく、沸騰したお湯も直に入れることが出来、初め真っ赤なその漆物は上の朱が減ってもその下の黒そのまた下の高度な下地が用に耐え使い続けることが出来、擦れた様も朱と黒のコントラストにより新しい美が見える堅牢な漆物で傷付いても美しい漆器がここに在りました。
その迸る息吹は一山を越え、各地に出荷された中世最高の漆物です。
HP引用
【ホームページ】
https://www.negoronuri.org/